劇作家大会2019大分大会に寄せて  

 ── 日本劇作家協会会長 渡辺えり


  劇作家大会に、私は第2回の盛岡大会から参加しています。
 全国から劇作家たちが集い、その土地の空間が数日間、自由な演劇の広場に転身します。演劇をめぐる催しが同時多発的にそこここで行われ、虚実の境が消える夢の空間に生まれ変わるのです。
 演劇ファンもそうでない人もこの熱い数日間を堪能できるよう、力を合わせて楽しみたいと思います。

 この何者からも縛られない演劇の祭典を、大分でやってみたいと考えてくださった方々に心より感謝いたします。
 昔より何となく規制が多くなり、生きにくいと感じる昨今。今回ばかりは自由に演劇の夢をみんなで作っていきたいと思っています  
 上演・リーディング・シンポジウムと色々な出し物に、地元の方の参加も楽しみです。普段は交流のない出演者同士の会話、参加者同士の会話、そして出演者と参加の方々との会話を楽しんでいただきたいと思います。

 新人の頃、井上ひさしさんや別役実さん、斎藤憐さんや太田省吾さんらと酒を酌み交わしながら演劇論を戦わせたあの時間は、今でも私の宝物になっています。
 今回はあの丸山薫を生んだ詩人の街・大分に、劇作家と俳優ら演劇人が集まります。数日間打ちあがる演劇の花火の残像が、いつまでも残ることを願っています。